2011年5月3日火曜日

2011年の小ノート(仮)……“暗転”するアンダーグラウンド②

思い返せば、NMEが2010年の年間ベスト・アルバムにジーズ・ニュー・ピューリタンズの『Hidden』を選出したのは興味深いというか、さすがである。もっとも他メディアに対する牽制的なポジション・トークのきらいもあったが、そこには、2000年代と2010年の間に明確な線のようなものを引こうという意志もうかがえる。それは例えば、2000年代後半から続くUSインディー発のユーフォリックなサイケデリック・ポップ(その延長線上にあるチルウェイヴ~グローファイ)と、ダブ・ステップ以降の、それこそコールド/ダーク・ウェイクからウィッチ・ハウスまで含めた広義のエレクトロニック/ダンス・ミュージックにおける“ダーク・ヒプナゴジア”との間に、ふたつのディケイドを隔てる一線を引こうというような。いわば前者が安眠的、というか白昼夢的とするなら、後者はまさに不眠症的というか、悪夢的。前者が「海」や「ビーチ」や「自然」をアイコンとして意図的に喚起させ引用するのに対して、後者は「恐怖」や「神経症」「心理的抑圧」のメタファーとしてホラーやサスペンス映画のイメージを確信犯的にPVやパッケージに引用する。ゴーストリーで、デストピアな……。()(


(続く)

http://junnosukeamai.blogspot.com/2011/02/2011.html

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