・ Radiohead/The King Of Limbs
・ マリアハト/The Letter Half Of Aloha EP
・ 平賀さち枝/さっちゃん
・ 笹口騒音ハーモニカ/うるう年に生まれて〜東京駅
・ Joan of Arc/Life Like
・ EMA/Past Life Martyred Saints
・ Battles /Gloss Drop
・ Vivian Girls/Share The Joy
・ White Noise /An Electric Storm
・ Tune-Yards/W H O K I L L
・ Maria y Jose/Espiritu Invisible
・ Panda Bear/Tomboy
・ Thurston Moore/Demolished Thoughts
・ GANG GANG DANCE/EYE CONTACT
『The King Of Limbs』の雑感は、バンドを招集してトム・ヨークのソロ・アルバムを作ったとでもいうか、例えばアトムス・フォー・ピースがトム・ヨークのソロ・アルバムをバンド・サウンドで再構築したのとは真逆の志向を感じる。つまりアルバム前半部はラップトップで、後半部はアコギやピアノでソングライティングしたものをバンド・サウンドでアップデートさせたような。実際、アルバム後半部の曲はリード・トラックの“ロータス・フラワー”をはじめそもそもアトムスやソロのライヴでトムがアコギで披露したものでしょおそらく。もっといえばトムにとってアトムス・フォー・ピースは『The King Of Limbs』の習作的なプロジェクトだったのでは?とも。/震災後に初めて聴いた/観た音楽はマリアハトのプレレコ発だった。最近はソロのライヴもよく観るけど、観るたびに違う。本人のテンションが歌声やアレンジに否応なく反映されるというか、それが面白い。即興的?とも違うか。/『さっちん』も素晴らしい。けど本音を言えば前々からリリースされていたCDR盤の方が個人的には好みかも。デモ音源のような宅録っぽいラフな音でも(の方が)彼女の歌声は映えるというか、甲乙つけがたい。アルバム発売に合わせて配信される笹口騒音ハーモニカとのデュオ曲“春の窓から”もCDRの音源の方が好きかな。でもこれは間違いなく名盤だと思います。それと今回の正規アルバムとCDRを聴いて感じたことは、歌詞/言葉の語尾の「止め」と「はね」。後者では流したり音程をわずかにズラしたりするところ、前者はきゅっと力強く踏み込む。その微妙で絶妙な違い。ライヴも最近よく観てますけど、彼女の場合もテンションというかい意味でのムラがその都度あって面白い。この前三鷹のおんがくのじかんで観た演奏は初来日の際のキャット・パワーのライヴを想起させた。ちなみにそのライヴで披露された新曲“江の島”もよかった。これまでの平賀さち枝の曲が「春」のイメージなら、スパニッシュ風ギターも軽快な“江の島”は「夏」の歌。いや夏を想う歌といった方が正しいかも。/その笹口騒音ハーモニカの“うるう年に生まれて”はYouTubeから。笹口騒音ハーモニカの音源は何枚か持っているけどたぶんどれにもまだ収録されていないんじゃないか(※訂正:『H』という新しいCDRに収録されているらしい。ちなみに“春の窓から”も)。/ジョーン・オブ・アークはスティーヴ・アルビニとの共作。アウルズやメイク・ビリーヴでは共演済みだがJOAでは初。/バトルスの新作は……うーん、正直期待外れだった。タイヨンダイの抜けた穴を応急処置で済ませた感が見え見えというか、決して本調子ではなかった一昨年のエレクトラグライドでも披露された新曲が、豪華なゲスト・ヴォーカルを呼んでみたところで敵わないな、という。結局のところ、ハードコア~マス・ロックに出自をもつバックグラウンドが似通った3人が寄ってたかってみたところで血中濃度は増したがやや自家中毒な感も。合奏としてのテンションが上がりもちろんそれはそれでかっこいいんだけどタイヨンダイがいたらこんなもんじゃなかっただろうといういう意味で。まあ別のバンドだとして聴けばいいのだけど。/ヴィヴィアン・ガールズもあの界隈では群を抜いた安定感。長尺のナンバーではスリーター・キニー的な逞しさも。/チューンヤーズの新作も見事だったな。ローファイなエタ・ジェイムスmeetsまさにダーティー・プロジェクターズというか、五線譜でキルトを編むようなマルチレイヤード・トライバル・ソウル・ポップ。http://vimeo.com/22883825/『Demolished Thoughts』は、サーストン版『シー・チェンジ』ねえ……いや、前作がフリー・フォーク人脈との交流から生まれた作品とするなら、次作はカート・ヴァイルやSmell周辺との交流を反映した……という期待もあったわけで。つまりサーストン版『Stereopathetic Soul Manure』か『One Foot in the Grave』。まあ早い話が『サイキックハーツ』の続編的な。/パンダ・ベアは高値安定。ミックスを手がけたソニック・ブームの功績も大きいのでは。でも個人的にはエイヴィ・テアが作った曲の方が好きなんだけどな、アニコレにおいては。“Fireworks”はエイヴィ作だし。※/ギャング・ギャング・ダンスと言えば「トライバルなパーカッション。トリッピーなダブ・サウンドにのせて魔都の暗がりをダンスで照らす。その快楽性はライヴで格段と映えるが、新作では煌めくようなシンセと歌謡性を増した歌が新たな装飾を施す。冒頭の10分を超すトラックも最高だが、東南~中東亜の流行歌も思わす熱っぽさはブルックリンのマナーを超えて新鮮。そもそも来歴不明な魅力があったが、これは突き抜けている」。/EMAとMaria y Joseについては追々。
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