
先月末にどどどっと5本まとめてドロップされたうちの一本。
たとえ「house」とダグづけされても、それこそ〈100%Silk〉を鉛の海に沈めたような重苦しさ、ぬめりをたたえた漆黒の感覚というのが〈Opal Tapes〉の魅力でありデフォルトでもあるわけだけど、タイミングが悪いことに、たまたま自分がThe Bodyの最新作『I Shall Die Here』のThe Haxan Cloakを迎えた阿鼻叫喚のボディ・ミュージックに絶賛打ちのめされ中ということもあり、どうにも物足りなく感じられ、、、しかし5本すべてを聴いたわけではないが、やはり〈Opal Tapes〉は今現在もっとも信頼のおけるレーベルであることに変わりはない。

その〈Opal〉からもリリースするNorwell & S Olbrichtの新作は、やはりUKの気鋭〈Cleaning Tapes〉から。ビートは硬質、怪奇趣味じみたところはアンディ・ストットやレイム以降ともいえそうだが、同時に美麗なアンビエントの感覚も持ち合わせているところが魅力で、それは特に前半の数曲に強く感じられる。マルタリング&リミックス提供には〈Opal〉人脈も。

そういう意味では、同じ〈Cleaning Tapes〉でもこちらのベルギー生まれの方が、ミニマルとして、アブストラクトとして、テクノとしてスタイルは完成されている感も。しかし今、風が吹いているのはやはりUKのアンダーグラウンド・シーンなのだなと改めて。「BurialとFalty DLの間を埋める云々……」とも。

〈Tesla Tapes〉もUK。といっても彼女の生まれはロシア。そして本作はNYの地下室やロンドンのウェアハウス、パリのカフェで生み通されたダウン・ビート・エレクトロニカ。マトモスがインダストリアル化、スロッビング・グリッスルがミニマルをやってるような展開もありと、刺激的なモノローグだ。

オースチンの〈Obsolete(廃れた) Future〉から。パワー・エレクトロニクス、ヌルサクとしたシンセの反復、時おり耳障りなヒス・ノイズを引き摺りながら、それでもひたすら明滅を繰り返すように反復、反復、反復。。。

先月末から今月にかけて無料配信された3本のうちの一本。これぞ〈Constellation Tatsu〉、な安定のシンセ・アンビエント。


フランスの〈Carpi〉から、モンペリエ出身のインプロヴァイザー。緊張感はまるでなく、弦楽器やベルもあやつりながら、ぽわん、へにょ~んとした脱力を誘うオノマトペを弄んでいる。ベースとドラムはサポート・プレイヤーなのか。シュールっちゃあシュールなのかも。

北カリフォルニアのビート作家。ジャジーなダウンテンポにフィールド・レコーディングを混ぜたり、サンプリングやコラージュも洒脱に織り込みながら、さしずめプレフューズ73の軌跡を再訪するような手癖巧みなフォロワー。判読不明なプロジェクト名とは裏腹に、意外と普通?かも。
(※2014年3月のカセット・レヴュー)
(※2014年2月のカセット・レヴュー)
(※2014年1月のカセット・レヴュー)
(※2013年の熟聴盤(カセット・リリースBEST 30+α))
(※2012年の熟聴盤(カセット・リリースBEST 30+α))
(※2011年の熟聴盤(カセット・リリースBEST 30+2))
(※極私的2010年代考(仮)……“カセット・カルチャー”について)
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