2016年6月19日日曜日

2016年6月のカセット・レヴュー(随時更新予定)

◎Troller / Graphic
オースチンのダークウェーヴィスト。ゴシックのイメージが拘束衣、SM的な意匠へと変化を見せたことを窺わせるも、バンド編成をポスト・メタル的な方向へとビルドアップさせたら新たな方向性も切り開けるのかも、とか思いながらときおり、欠伸も。そういえばダム・ダム・ガールズのDDがソロでエレクトロっぽいことをやり始めたけど、思いのほか誰も騒いでいない……。

◎RADIOSON / радиосон
Stilluppsteypa(懐かしい!)も擁したリトル・プレスの〈Helen Scarsdale Agency〉から。ロシア産のサイキックなデンシ音楽。アートワークが何をかいわんや、だけれども、これは実験音楽ではなく、実験の音楽、といった趣。


◎Toner / Passing Glance

「slowcore revivalists」と呼ばれているそうだけど、意味はよくわからないオークランドのバンド。若干のマイナー調な陰りを帯びた、けれどふわふわとした浮遊感もたたえたギタポ。


◎Truce / Surpass
何度か取り上げたことのあるデンマークの〈Janushoved〉から。〈Posh〉な雰囲気たっぷりの、ポスト・パンクでポスト・インダストリアルな、凍てついたシンセ・ウェイヴ。

◎Lace & Collar / Pursuit
同様にデンマークの〈J〉から。ビートにダンスへの誘惑がうかがえるも、やはりモノトナスで凍てついたテクスチャーは基底通音として。「追求」を意味するタイトルには何か雄弁なものさえ。

◎Devonwho / Lyon
ナイト・ジュエル関連で調べものをしていたら彼女とダム・ファンクのコラボ、ナイト・ファンクが昨年再始動したことを今更ながら知りまして。西海岸のエレクトロ・ファンク、時宜にかなったサウンドだと思うんですよねトレンド的に。イケイケの〈Leaving〉から。

◎Gifted and Blessed / Emotional Topography
こちらも同レーベルから。Kelelaとの仕事でも知られるエレクトロニクス作家。純度の高いキラキラとした水晶体が奏でる極上のアンビエント・ワークス。



◎Paa Annandalii / Cavernous Fruits
ヒプナゴジック(睡眠導入)からハルシノジェニック(幻覚導入)へ。スペイシーなシンセ・ループを滑らかなギター・サウンドで薄皮のように包んだアンビエント。ニュージャージーのネイチャー音響アーティスト。


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