2015年8月14日金曜日

2015年8月のカセット・レヴュー(随時更新予定)

◎Earthly/Days
〈Noumenal Loom〉からアニコレ『サング・トング』への……といったらアゲすぎか。北カリフォルニアのデュオによる一本で、同レーベルを代表するGiant Clawらのような先鋭性やエキセントリックさはないけど、今様なポスト・インターネット周辺の感性で「ローファイ」やら「トライバル」やら「エレクトロニカ」をポップにアウトプットしてみたら、なんだかいい感じ?みたいな。ちょい懐かしいところではブルックリンのHigh Placesを思い出させたりも。

◎Philadelphia Collins/Derp Swervin'
Speedy Ortizのメンバーらによるニュー・プロジェクト。サウンドはご想像の通り。ガレージ、サイケ、ダウナーなファズ・ポップ。白眉は同じくSpeedy OrtizのEllen KempnerをゲストVo.に迎えた②。

◎Seventeen At This Time/Flaming Creatures
フランス/パリのグループ(デュオ?ソロ?)っぽいけど、詳細は不明。最近、2000年代リヴァイヴァル始まってる?って思うことが多くて、まあ、この一本が直接的にそうだって話ではないんですけど。ノワーリーでゴシック。紫煙巻くダーク・ポップ。

◎Michael Vallera/Distance
〈Opal Tapes〉のファンにはCoin名義でお馴染みのMichael Valleraによるプロジェクト。ディストピックなドローン/アンビエントという路線に変わりはなく、ただ、フィールド・レコーディングも馴染ませた音像の陰影/グラデーションにヒタヒタと忍び寄るモノリスティックなドラム・マシーンやビート。

◎Dream Suicides/Soft Feelings
アメリカ西海岸のドリーム・ポップ・プロジェクト。アートワークは一貫して女性のポートレート写真。美意識というのか、何かに取り憑かれているというのか。C86とチルウェイヴの間の、曖昧模糊とした手触り。

◎Varg/Under The Roman Lash
〈Ascetic House〉のアンビエント~インダスもの。自分の記憶が正しければ、もっとゴリゴリなノイズ系のイメージも強かった〈AH〉だけど、最近はこういうノリなのかしら。繋がりもある〈Posh Isolation〉や〈100% Silk〉とごっちゃになってるだけか。

◎jimmy pop/Varsity Blues
ミシガンのドリーム・サイケ。宅録なのかバンドなのか。声の印象が少しブラッドフォード・コックスぽくもあるが、言われてみれば初期のアトラス・サウンドぽく……もないか。でもなあ、ウェーヴスやクラウド・ナッシングスも、こういうところから化けていったんだよなあ。

◎Moor Mother Goddess/Moor Mother Goddess
“blk girl blues, witch rap, coffee shop riot gurl songs, southern girl dittys, black ghost songs." と称する、DC発フィラデルフィア経由の女性トラックメイカー。ミクステ溢れた昨今、疎い自分にはどれを聴いてもあまり違いが判らないのだけど、何かしらのフックをきっかけにお気に入りの一本を選びたい。自分はコレを。http://www.fvckthemedia.com/issue58/moor-mother-goddess

◎Tallesen/inca
〈Software〉からのデビューで注目を集めたTallesen。総帥OPNの流れを汲むダウンテンポなニューエイジ・シンセ・ウェイヴを聴かせつつ、〈Bootleg Tapes〉からの今作では、カン『フロウ・モーション』のオンライン・アンダーグラウンド・ヴァージョン、とも呼びたい涼やかなトリップでゆらゆら、クラクラ。

◎RAMZI/Houti Kush
〈1080p〉が送る、この夏のマスト。オンライン・アンダーグラウンド特有のハイパー・コンテクストな位相に、より土着的なもの、有り体に言えば「トライバル」な感性が流入、いや染み出し始めているような手触りというか。聴き慣れているはずなのに、なんだか耳新しい。もしかしたら何かを思い出しているのかもしれないけど、ここには確かな“兆候”が感じられると思います。

◎CFCF/The Colours of Life
フリートウッド・マックとマニエル・ゲッチングを繋ぐ男。モントリオールのエレクトロ作家による新作の一本は〈1080p〉から。流麗なミニマリストぶりは健在ながら、AOR~ニューエイジ~エレクトロ“ニカ”なポップ寄りの作風が際立つ仕上がりは、(アルバム)名は体を表すというか。

◎Paradise 100/Northern Seoul
相変わらずリリースの絶えない〈100% Silk〉から。“ザ・インディ・ハウス”なド直球感。ベルギーからの刺客だが、にしてもタイトルは所謂「ノーザン・ソウル」なのか、それとも「北朝鮮」をパロっているのか、、



◎Paul Hares/MSC DTH
その昔に見た「世にも奇妙な~」というドラマで強烈な印象に残っているのが、あらすじは忘れてしまったけど、ビデオかテレビの中に男が引きずり込まれてしまうという話で。頭からビニール袋を被せられてグルグル巻きにされた男のラップ、オペラ。梱包前のスピーカーがぶおんぶおんと風を振動させる息苦しいビート、窒息しそうな音像。






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