シカゴの〈Lillerne Tapes〉からリリースされたマイクロ・アヴァン・ポップ。ほとんどの曲は1分台か1分にも満たない。ポップ・ミュージックの欠片が、まるでVineか短文投稿サイトのような感覚で、懐かしさを伴いながら次々と再生される。チリー・ゴンザレスとジョン・ミークが子供の頃に土の中(「地獄」だって?)に埋めたタイムカプセルから取り出された、こんがらがったテープの塊。
◎Euglossine/Tropical Popsicle
タイトルは「熱帯の棒付きキャンデー」。ネヴァダ州の〈Snow Broth〉から、フロリダのベッドルーム・ニューエイジ・ポッパーによる新作。ダンス・フロアへの色気も隠さないSci-Fiの亡霊。
◎THE PAST/AIRLESS
モントリオールの〈Jeunesse Cosmique〉から。想いを馳せるにはまだ早過ぎるが、それでもWunderやAvi Buffaloなんかと並べて聴きたくなるブリージンなギター・アンビエンス・ポップ。
◎Così e Così/Self Exit
「解脱」って意味か。昔シュ・シュにこんな感じのジャケットがあったような気もするが、怨念のシミのようなヴォーカル&エコーもどこかジェイミー・スチュワートっぽかったり。NYのZsのメンバーがやってるDiamond Terrifierから借用した曲が最後に用意されているが、お前の方がよっぽど恐怖(terrify)。
◎SEPHORA脳バイブス/Digital Divas
もはやクラシカルなヴェイパー。最後は、断固たるフェティシズムの強い奴がこのカテゴリーでは生き残るような気がするのだけどどうなんだろうか。
◎Circuit Rider UK/Alienist
Lee NobleとDerek Rodgersのダッグ。おしてしるべしかな。たとえばジム・オルーク抜きのフェノバーグを、2010年代のアンビエント/ニューエイジ以降の感覚で再構築しているような。声高な主張はないが、入り組んだ音の構造はとても深い。
◎Sam Gas Can/I Sat Around Today
〈Digitalis〉からのリリースもあるミュージック・コンクレーター。演奏もするが聴き進めていくうちに、オリジナルなのかアプロプリエーションなのかなんなのか、境目が揺らいで不安になってくる。Sunburned Hand of the ManやBlanche Blanche BlancheらUSアンダーグラウンドの連中とも交流を持つ、奇才なのか変人なのか。
◎Harmony Molina/Happiness Thief Inside
チリ(?)のローファイ・サイケ・ソウル・シンガー。てか、ここのレーベル〈Goaty Tapes〉、アートワークやばいな。
◎Low-Key/Soft
〈Snow Broth〉から。ちょっとグズグズなオールドスクール・ビート集。
◎Height with FRIENDS/10,000 Devastating Watts
ボルチモアのDan “Height” Keech率いるヒップホップ・クルー。やはりオールド・スクール。
(※2014年7月のカセット・レヴュー)
(※2014年6月のカセット・レヴュー)
(※2014年5月のカセット・レヴュー)
(※2014年4月のカセット・レヴュー)
(※2014年3月のカセット・レヴュー)
(※2014年2月のカセット・レヴュー)
(※2014年1月のカセット・レヴュー)
(※2013年の熟聴盤(カセット・リリースBEST 30+α))
(※2012年の熟聴盤(カセット・リリースBEST 30+α))
(※2011年の熟聴盤(カセット・リリースBEST 30+2))
(※極私的2010年代考(仮)……“カセット・カルチャー”について)
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