◎Lisa Papineau/Blood Noise
ディアマンダ・ギャラスも彷彿させるゴシックな風貌に、タイトルが「血のノイズ」ときた。さぞかしパンチの効いた作品かと思いきや、拍子抜けするほどアンニュイなシンセ女子。多重ヴォーカルはビョークっぽくもあり、バーモントの才媛。
◎Mirror Kisses/Bad Dreams
ヴェイパー風のジャケとは裏腹に、王道のシンセR&Bというか、ポスト・チルウェイヴのシンセ・ポップ。黒っぽいチャド・ヴァリーというか、ギミックなしの清涼感はニーズはまだまだありそう。
◎Travel Kyoto/Empire Of Signs
ロシアの〈Singapore Sling〉から。ユニット名は「そうだ、京都へ行こう」か? モンドでエスノでラウンジーなトレモロ・シンセの観光音楽。けどVIDEOTAPEMUSICの方がトべるな。
◎Radiator Girls/Traumas/Mantras
ピッツバーグのカセット専門〈HOKO〉から。アーリー・テンネン代のサイケ・ポップというか、ガールズの生焼けな部分とスミス・ウェスタンの白乳色をアンフェタミンで溶いたような中毒性の高さ。
◎Oxytocin Dreams/Sadnoise
「視床下部の室傍核と視索上核の神経分泌細胞で合成され、下垂体後葉から分泌されるホルモンであり、9個のアミノ酸からなるペプチドホルモンである」な夢、というユニット名から推して知るべし。沈み込むようなダウンテンポとスモーキーなアンビエント、ブラックネス……。「悲しいノイズ」というアルバム名も良し。OFWGKTAからこういうのがひよんと出てきてもおかしくない、というか、かつて〈Anticon〉に期待していたものを今ではオッド・フューチャー周辺に期待している自分に気づく。The Internetのアルバムも素晴らしかったしなー。
◎Stupid Bummed/Get Used To It
USアンダーグラウンドのメッカ、西海岸ロング・ビーチの〈Juniper Tree Songs〉から。奇盤を期待させるジャケットだが、中身は意外にドリーミー。鋲ジャンの代わりにシティ・ボーイ・ルックで着飾ったアラン・ヴェガ、夢見心地のスーサイドのよう。
◎Erasurehead/Moonwort
というか、そもそもモスクワのレーベルで名前がシンガポールでハワイとかタグを付けられても意味不明だろう。古き良きレトロフューチャー。ジョー・ミークと『Stereopathetic Soulmanure』の頃のベックがエド・ウッド映画のサントラをサンプリングで作り上げたようなやっつけ感も随所に。
◎Fluorescent Heights/Tidal Motions
今年も打率が高かった〈Constellation Tatsu〉から。ニュー・エイジ志向丸出しの曲タイトルそのままの、美しく青きアンビエント。
◎Linckoln Public Library/Linckoln Public Library // MANNEQUIN
フロリダの「ザ・ヴェイパー・ウェイヴ」。他に特筆すべきことは何もないが、なぜかヒューイ・ルイスが無性に聴きたくなる。
◎Fortyone/Go Bananas
ウェストバージニア州モーガンタウンの奇盤テープ専門〈Crash Symbols〉から。バナナのアートワークからヴェルヴェッツを連想した自分を呪いたくなるほどのカートゥーニッシュでスカミッシュなサンプリング/テープ・コラージュ・ミュージックス。でも異様に愉しい。シナトラも歌っているし。
◎Saintes/Horizontal/Vertical
フランスはパリの女性ソロ・プロジェクト。そもそもはダーク・ウェイヴ系のバンドで活動していたとか。ノー・ウェイヴィなギターの不協和音、フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンド、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、キム・ゴードン……などなど。激クール!!!!!
◎Exotic Club/No Dance
タイトルもグループ名も投げやり。けれど嫌いじゃない。コールド・ウェイヴなシュ・シュというか、ニューロマをかじったケイヴというのか。Featureless Ghost/TWINSのMatt Weinerが関わっているのも個人的にはポイント高い。
◎Old Light/YES
ポートランドのローファイなテーム・インパラ。何ピースか知らないが、サイケデリックもファンクもブルース・ロックも洒脱にこなす手練揃いか。「YES!」でしょう。
◎Dead Coast/Dead Coast
LAらしいドリーミー・ガレージ・ポップ。ベスト・コーストのネガのようなバンド名だが、アーシーな演奏も聴かせる奥行き、巧者ぶりにへぇ~、と。
(※2013年11月のカセット・レヴュー(随時更新予定))
(※2013年10月のカセット・レヴュー(随時更新予定))
(※2013年9月のカセット・レヴュー(随時更新予定))
(※2013年8月のカセット・レヴュー(随時更新予定))
(※2013年7月のカセット・レヴュー(随時更新予定))
(※2013年6月のカセット・レヴュー(随時更新予定))
(※2013年5月のカセット・レヴュー(随時更新予定))
(※2013年4月のカセット・レヴュー(随時更新予定))
(※2013年3月のカセット・レヴュー(随時更新予定))
(※2013年2月のカセット・レヴュー(随時更新予定))
(※2013年1月のカセット・レヴュー(随時更新予定))
(※2012年の熟聴盤(カセット・リリースBEST 30+α))
(※2011年の熟聴盤(カセット・リリースBEST 30+2))
(※極私的2010年代考(仮)……“カセット・カルチャー”について)
(※極私的2010年代考(仮)……2010年夏の“彼女たち”について)
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