2016年11月17日木曜日

告知㉝:Goat 『Requiem』

なんかね。
今年は告知ばかりで申し訳ない。
それもタイミングをすっかり逸してしまった形ですが。。

Goat / Requiem
http://diskunion.net/indiealt/ct/detail/XAT-1245660955


いま最も謎めく存在でありながらコーチェラやグラストンベリーなど海外の大型フェスに出演するまで成長したスウェーデンのトライバル・アート・ダンス・パンク集団=GOAT!2年ぶり3作目となる新作はレクイエム=死者への祈りを神に捧げる辺境サイケ・フォーク・アルバム。



ゴートはスウェーデンで結成され、2012年にUKのROCKET RECORDINGSからリリースしたデビュー・アルバム『WORLD MUSIC』は広く称賛を受けた。続く2ndアルバム『COMMUNE』では米・SUB POPと契約しさらにその名を知らしめ、アメリカのみならず全世界のフェスティヴァルで引っ張りだこの存在に。女性二人がヴォーカルとしてフロントに立ち、民族衣装とマスクといういでたちで狂乱のトライバル・サイケ~ダンス・パンクを正体不明の集団が鳴らす熱狂的なパフォーマンスは、グラストンベリーやコーチェラなどの大型フェスに出演するたびに、会場はもちろんのこと、ネット中継でも世界中やここ日本でも話題をかっさらってきた。グルーヴが渦巻く多彩なジャムを基調としたサウンドと貫禄のあるライヴ・パフォーマンスに「現代のグレイトフル・デッド」の呼び声も高まっている。



そんな過程を経て成熟を迎えた本作『レクイエム』は、さらに呪術的で異次元と交信しているような、なんとも奇妙でトライバルで悲哀的な辺境サイケ・フォーク・アルバムに仕上がっていて味わい深い。「まるでウッズがアニマル・コレクティヴをカバーしているかのよう」とも評され現行のサイケとのリンクももちろんありながら、レッド・ツェッペリンからフェラ・クティまでのルーツを感じさせ、ロック・フィールドにおけるいわゆる「ごった煮」なサウンドを成功させている現代に稀有なアーティストだ。
(※メーカー・インフォより)

〈S&S〉のカタログはこちら→http://diskunion.net/rock/ct/list/0/0/72421
もろもろについてはこちら→http://junnosukeamai.tumblr.com/

よろしくお願いします。

2016年10月18日火曜日

告知㉜:Bitchin Bajas And Bonnie Prince Billy 『Epic Jammers And Fortunate Little Ditties』

はい。
そしてこちら。
何を置いてもともかく、来日が迫っております。
10月末です。

Bitchin Bajas And Bonnie Prince Billy / Epic Jammers And Fortunate Little Ditties
http://diskunion.net/indiealt/ct/detail/AWS1600906-BPBBB1


12年ぶりの来日ツアーがアナウンス()されたアメリカ随一のシンガー・ソング・ライター、ボニー・プリンス・ビリーことウィル・オールダム。彼の最新作でもあり今回の来日にも引き連れて来るシカゴの新鋭サイケ/エクスペリメンタル/ドローン・トリオのビッチン・バハスとのコラボレーション・アルバムを、来日に合わせて日本リリース!



アメリカきってのシンガー・ソング・ライターであるボニー・プリンス・ビリーことウィル・オールダム。90年代からPALACE(PALACE BROTHERS、PALACE MUSIC等)名義でキャリアをスタートさせ、98年からBONNIE‘PRINCE’BILLYとしての活動をスタート。コンスタントにリリースを続け非常に多作で、気取らずにコラボレーションにも意欲的な彼が最新作でコラボレーションしているのは、今回一緒に来日するシカゴのサイケ/エクスペリメンタル/ドローン・トリオのビッチン・バハス。2013年からレーベル・メイトになり出会うべくして出会った二組は、本作ではトラディショナルなアメリカーナに気鋭と多様性をかけあわせ、アンビエントでフォーキーで瞑想的なサイケデリアを展開。反復的な楽曲でずっと身をあずけて漂っていたくなるような中毒性がある、無比のトランシーな空間を作り上げています。



日本盤のみチャールズ・ヘイワードがゲスト参加したレア音源収録ボーナスディスク(CD-R)封入!
BITCHIN BAJAS & BONNIE PRINCE BILLY“JAPAN EXTRAS”
(※メーカー・インフォより)



他にもいろいろリリース控えています。
〈S&S〉からも、そうではないものも。
〈S&S〉のカタログはこちら→http://diskunion.net/rock/ct/list/0/0/72421
もろもろについてはこちら→http://junnosukeamai.tumblr.com/

よろしくお願いします。

告知㉛:Saqqara Mastabas 『Libras』

ようやく更新したかと思えば、告知かよ、、すみません。

〈S&S〉からのリリースではないのですが、DU繋がりということで。

Saqqara Mastabas / Libras
http://diskunion.net/indiealt/ct/detail/XAT-1245657228


兄妹ストレンジ・ポップ・デュオFIERY FURNACES。そのサウンド面を担っていた兄、MATTHEW FRIEDBERGERが、SEBADOHのドラマーであるBOB D’AMICOとともに立ち上げたニュー・プロジェクト=サッカラ・マスタバス(SAQQARA MASTABAS)によるデビュー・アルバム!



FIERY FURNACESの頃から卓越したセンスを光らせていた彼のポップ・マジックが、今作でも発揮されています。古代エジプトをコンセプトとし、ピラミッド構築の正確さを音楽となぞらえ、自然的であり理論的に制作されたそうです。まるでフリー・インプロヴィゼーションでゲーム・ミュージックをカバーしているかのように、難解なテクニックと自由な手法でもってエクスペリメンタル・ポップをとことんキャッチーに表出させているのがDEERHOOFやANIMAL COLLECTIVE、BATTLESなどにも通じ、耳馴染み良いポップな実験的作品に仕上がっています。
(※メーカー・インフォより)



他にもいろいろリリース控えています。
〈S&S〉からも、そうではないものも。
〈S&S〉のカタログはこちら→http://diskunion.net/rock/ct/list/0/0/72421
もろもろについてはこちら→http://junnosukeamai.tumblr.com/

よろしくお願いします。

告知㉚:Pill 『Convenience』

更新が著しく途絶えていましたが、、

我らが〈S&S〉からのリリース。
といっても2か月近く前の話になりますが、、

Pill / Convenience
ブルックリンの新鋭4人組になります。




MEXICAN SUMMERと契約する前は、PARQUET COURTSが運営するレーベル、DULL TOOLSから作品をリリースしていたピル。

サウンドはSAVAGESやDILLY DALLY、EAGULLS、SAUNA YOUTHなどとも共鳴するソリッドなポスト・パンク~オルタナティヴ・サウンドが特徴的ですが、それらにフリーキーなサックスやフェミニズムを身にまとった女性ヴォーカルのヴェロニカによるアジテーション豊かなヴォーカルが重なり、まるで<現代版NO WAVE>のよう!


そう、LYDIA LUNCHのパンキッシュさとRAPTUREの熱量、GOSSIPのような性急さを併せ持つピル、彼らのノイジーなポスト・パンク・チューンは今後要注目です。




※アルバム未発表曲「Convenience」のダウンロード・コード付き!(帯裏に記載)
(※メーカー・インフォより)

他にもいろいろリリース控えています。
〈S&S〉からも、そうではないものも。
〈S&S〉のカタログはこちら→http://diskunion.net/rock/ct/list/0/0/72421
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2016年8月1日月曜日

告知㉙:Pup 『Dream Is Over』

めっきり更新が停滞していますね。。
告知ばかりですいません、このところ。。

というわけで、今年2016年こそがエモ・リヴァイヴァル、ポップ・パンク・エクスプロージョンの画期点。
と自分勝手に踏んでいるのですがどうでしょう?
その符丁と言えるバンドは数々上げることができるのですが、とりあえず、このカナダの4人組もそう。

Pup / Dream Is Over
http://diskunion.net/indiealt/ct/detail/AWS160629-PUP3


幼なじみで結成されたというカナダの4人組PUP(パップ)が、2013年のデビュー・アルバムに続くセカンド・アルバムをリリース!7 SECONDSやFLOGGING MOLLY、KILL YOUR IDOLS他多数のパンク・アーティストをリリースするLAの名門レーベルSIDE ONE DUMMY RECORDSと契約して初となる作品。



アグレッシヴなポスト・ハードコアとファスト&メロディックなポップ・パンクをベースとして、ポジティヴなメロディーとアンセミックなコーラスが怒涛のように押し寄せる中に繊細で切ない旋律が時折よぎり、一言でパンクとは言い切れない作品に仕上がっている。それなのに複雑さや暗さを一切見せずやはり単純明快で爽快で痛快な印象を残して突っ走る様に非凡な才能を感じずにはいられない。



米・音楽情報サイトSTEREOGUMの2016年上半期ベストアルバムでもKANYE WEST、RADIOHEADを抑えての堂々の4位を獲得したのを初めとしてメディアの評価も非常に高く、年末も各メディアのベスト入りは確実視されている。
(※メーカー・インフォより)

他にもいろいろリリース控えています。
〈S&S〉からも、そうではないものも。
〈S&S〉のカタログはこちら→http://diskunion.net/rock/ct/list/0/0/72421
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2016年6月19日日曜日

2016年6月のカセット・レヴュー(随時更新予定)

◎Troller / Graphic
オースチンのダークウェーヴィスト。ゴシックのイメージが拘束衣、SM的な意匠へと変化を見せたことを窺わせるも、バンド編成をポスト・メタル的な方向へとビルドアップさせたら新たな方向性も切り開けるのかも、とか思いながらときおり、欠伸も。そういえばダム・ダム・ガールズのDDがソロでエレクトロっぽいことをやり始めたけど、思いのほか誰も騒いでいない……。

◎RADIOSON / радиосон
Stilluppsteypa(懐かしい!)も擁したリトル・プレスの〈Helen Scarsdale Agency〉から。ロシア産のサイキックなデンシ音楽。アートワークが何をかいわんや、だけれども、これは実験音楽ではなく、実験の音楽、といった趣。


◎Toner / Passing Glance

「slowcore revivalists」と呼ばれているそうだけど、意味はよくわからないオークランドのバンド。若干のマイナー調な陰りを帯びた、けれどふわふわとした浮遊感もたたえたギタポ。


◎Truce / Surpass
何度か取り上げたことのあるデンマークの〈Janushoved〉から。〈Posh〉な雰囲気たっぷりの、ポスト・パンクでポスト・インダストリアルな、凍てついたシンセ・ウェイヴ。

◎Lace & Collar / Pursuit
同様にデンマークの〈J〉から。ビートにダンスへの誘惑がうかがえるも、やはりモノトナスで凍てついたテクスチャーは基底通音として。「追求」を意味するタイトルには何か雄弁なものさえ。

◎Devonwho / Lyon
ナイト・ジュエル関連で調べものをしていたら彼女とダム・ファンクのコラボ、ナイト・ファンクが昨年再始動したことを今更ながら知りまして。西海岸のエレクトロ・ファンク、時宜にかなったサウンドだと思うんですよねトレンド的に。イケイケの〈Leaving〉から。

◎Gifted and Blessed / Emotional Topography
こちらも同レーベルから。Kelelaとの仕事でも知られるエレクトロニクス作家。純度の高いキラキラとした水晶体が奏でる極上のアンビエント・ワークス。



◎Paa Annandalii / Cavernous Fruits
ヒプナゴジック(睡眠導入)からハルシノジェニック(幻覚導入)へ。スペイシーなシンセ・ループを滑らかなギター・サウンドで薄皮のように包んだアンビエント。ニュージャージーのネイチャー音響アーティスト。


2016年6月17日金曜日

告知㉘:Womps 『Our Fertile Forever』

〈S&S〉のリリースものとしては久々。
グラスゴーの秘蔵っ子。
アルビニが手がける新人バンドになります。
Womps / Our Fertile Forever
http://diskunion.net/indiealt/ct/detail/XAT-1245654518


パステルズやヴァセリンズ、ティーンエイジ・ファンクラブ、ベル&セバスチャン、トラヴィスにフランツ・フェルディナンド、モグワイ……良質なバンドを数多く輩出しているグラスゴー・シーンに、要注目なニューカマーが登場、その名もウォンプス!
EWANとOWENの2人組で、すでにクラウド・ナッシングスやフィドラー、メッツ等ともステージを共にしているオルタナティヴ・デュオ。




このデビュー・アルバムはシェラックのスティーヴ・アルビニが自身のスタジオであるELECTRICAL AUDIOで録音を担当!
初期ティーンエイジ・ファンクラブやダイナソー・ジュニア、ペイヴメントな90年代オルタナティヴ・チューンから、前述のクラウド・ナッシングスやメッツ、ヤック、ノー・エイジ、ウェイヴスとも共鳴するフックの効いたメロディが素晴らしいです!
(※メーカー・インフォより)

ちなみに、前身にあたるAlgernon Dollのアルバムはボブ・ウェストンがマスタリング。


他にもいろいろリリース控えています。
〈S&S〉からも、そうではないものも。
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2016年6月14日火曜日

告知㉗:Nite Jewel 『Liquid Cool』

こちらも〈S&S〉ではないのですが。
心機一転、自主レーベルからの原点回帰作。
Nite Jewel / Liquid Cool
http://diskunion.net/indiealt/ct/detail/AWS160512-NJ1


LAの歌姫NITE JEWELの4年ぶりとなるサード・アルバム。

美しく妖艶なエレクトロ・ポップ・サウンドに成熟とDIYの両立を実現した最高傑作!!!
活動開始から8年目を迎えるLAのDIY歌姫NITE JEWELことラモーナ・ゴンザレス。2009年のデビュー作「GOOD EVENING」、2012年のセカンド・アルバム「ONE SECOND OF LOVE」に続く4年ぶりとなるサード・アルバム「リキッド・クール」は、デビュー作と同じく彼女自身のレーベルからのリリースとなる。活動を始めた頃のように再び何のしがらみもなく彼女の思うままに制作できる環境で、「自分のアイデンティティを再び見つけたかのよう」だという本作は、彼女がこれまでに確立してきたまさに夜に輝く宝石のように美しく妖艶でエレクトロ・ポップ・サウンドが成熟とDIYを併せ持った最高傑作に仕上がっている。冷たくダンサブルなニュー・ウェイヴ~シンセ・サウンドに、ソウルを秘めた彼女のクール・ヴォイスが浮遊し、「まるでクラフトワークをバックに携えたジャネット・ジャクソンのようだ」とも評される注目作品です!
(※メーカー・インフォより)



他にもいろいろリリース控えています。
〈S&S〉からも、そうではないものも。
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告知㉖:Kino Kimino 『Bait Is For Sissies』

〈S&S〉からのリリースではないのですが。
ブルックリンの女性アーティストのアルバム。
Kino Kimino / Bait Is For Sissies
http://diskunion.net/indiealt/ct/detail/AWS160512-KK1
リー・ラナルド&スティーヴ・シェリーがバックアップ、録音はジョン・アグネロという。
推して知るべし、な仕上がりです。


Eagle & TalonやJANという名義でも活動しているブルックリンの女性アーティスト=Kim Talonのニュー・プロジェクト、キノ・キミノのデビュー・アルバム!
なんと、ソニック・ユースのスティーヴ・シェリー(ドラム)とリー・ラナルド(ギター)をフィーチャーし、レコーディングもソニック・ユースのスタジオであるEcho Canyon West studioで敢行。音だけ聞いたら「ソニック・ユースの新曲?」と思ってしまうほどです!!
そう、もろにソリッドなソニック・ユース節が炸裂するオルタナティヴ・ロック~ポスト・パンク・サウンドがなんとも爽快で心地よい力作。
プロデュースは、カート・ヴァイルやダイナソー・ジュニアなどの仕事で知られるJohn Agnelloを起用し、サウンド構築もクオリティ高しです!
(※メーカー・インフォより)



他にもいろいろリリース控えています。
〈S&S〉からも、そうではないものも。
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2016年5月29日日曜日

2016年5月のカセット・レヴュー(随時更新予定)

2016年5月の熟聴盤

告知㉕:Mourn 『Ha,Ha,He.』

〈S&S〉からのリリースではないのですが。
スペインの新星、モーンの2作目。
Mourn / Ha,Ha,He.
http://diskunion.net/rock/ct/detail/XAT-1245654011


スペインはバルセロナから登場した超新星バンド、モーンのセカンド・アルバムが登場!
CAPTURED TRACKSから2015年に発表されたデビュー・アルバム『MOURN』では、当時15-18歳にもかかわらず確かなアティテュードによって鳴らされたオルタナティヴ・ロック・サウンドが、世界中のインディ・ロック・ファンの度肝を抜いたことは記憶に新しいところ。
本作は、よりポスト・パンク色が色濃く刻まれた秀作!!
メンバーは最年長で20歳となり、まだ他のメンバーには17歳などもいるのだが、前作のデビュー・アルバムをはるかに凌ぐソリッドなバンド・アンサンブル、そしてライヴを意識したラウドなバンド・サウンドなど、著しい成長の跡がうかがえます。
(※メーカー・インフォより)



他にもいろいろリリース控えています。
〈S&S〉からも、そうではないものも。
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2016年4月16日土曜日

パンダ・ベア、ジョン・ケイルとの馴れ初めを語る。



「や、それほど面白い話でもないんだよ……でも説明しようか(笑)。デイヴの妹のアビーが、ジョン・ケイルのライヴでヴィジュアル・ワークを担当していて、その縁なんだ。

実は今度のアルバム(※『Painting With』)に入れようとしていたある曲について、このままのサウンドでいいのか、僕達メンバーの中では決めきれなくなったのがきっかけでね。あるパートのサウンドが、完全に納得がいくものに仕上がらなくて。それはストリングスっぽい音のパートだったんだけど、アビーがジョンと仕事をしているのを知っていたし、ジョンはヴィオラ奏者でもあるから、僕達がレコーディングしているスタジオに来て、弾いてもらったらどうだろうという話になったんだよ。納得できていないパートを、ジョンのヴィオラで置き換えられないかと考えたんだ。



それで声をかけたんだけど、ジョン自身は、ヴィオラの音色の特性を考えると、あまりうまくいかないんじゃないかという意見だった。で、実際ジョンの言うとおりで、スタジオでいろいろ弾いてもらったんだけど、結局そのヴィオラのパートはまったく使わないで終わったんだ。でも、ジョンはサンプラーとか、いろんな機材を持ち込んでくれて、曲を演奏している最中に、僕達と話しながらいろいろ試してくれたんだよね。そっちがすごくうまくいって、あの日は僕達も本当に楽しかったよ。彼のような人にレコードに参加してもらえたのは、すごく光栄だと思うね」


2016年3月31日木曜日

2016年3月の熟聴盤

2016年1月の熟聴盤)
2016年2月の熟聴盤)

2016年3月のカセット・レヴュー(随時更新予定)

◎Animal Teeth/Happy To See You(Slow Shine)
言い方は悪いが、こうした一見なんのヒネリもないローファイなギター・ロックが、いまの気分。カセット・カルチャーの源流には、いわゆるノイズものと、そしてこういうものがそもそもあったような気がする。カナダはマニトバのペイヴメント。これがデビュー・アルバム。そこにチェロやヴィブラフォンも鳴る感じが90年代のシカゴ・テイストも。



◎Pod Blotz/Other(Nostilevo)
LAを拠点に活動するマルチ・メディア・アーティスト、だそうです。ファクトリー・フロアからダンス・フィールを剥したような、つまりカーター・トゥッティ・ヴォイド~TG寄り(こういうデザインのカセットありましたよね)と言いますか。くらくらする工業ノイズ/金属ビートの反復にマシーナリーなモノローグを重ねた、ある意味クリシェを踏襲した期待を裏切らない内容。オペラ風のヴォイス・パフォーマンスも。

◎Tender Age/Disappear Here EP(SINIS Recordings)
ポートランドのバンド。アンチ・ドリーム・ポップなギター・ロックのダウナー感が、90年代のゲフィン作品ぽくもあり。おのずとこういう作品に当たってしまうのかな。マイブラらしいところもあるのだけど。

◎Klam/The Concrete Vagina(Land Animal Tapes)
オーソドックスな4ピースのギター・ロック・バンドによるダーク・アンビエント。イタリアのホラーズ、と呼べたらいいんだけどそこまでの華はなく、けれどジョイ・ディヴィジョンやあの時代の音楽から汲める限りを汲もうという意識を感じさせる。フロム・イタリア。

◎BAT-BIKE/GETTING BACK
何といいますか、無慈悲なジャケに引かれまして。ふざけたバンドかと思いきや、何気にシリアスでヘヴィーなガレージ・サイケ・バンド。曲によってはドローニッシュであり、アシッド・フォーキィでもある。「wonk=pop」というタグが謎なロンドン発のデビュー・アルバム。

◎Gulls/Internal Rhythm(PDXINDUBTING!)
いきなり飛び込んでくるのはクイーンのサンプリング。Sci-FIなエレクトロニクスにダビーなプロダクション。ループものだけど同時に、アンビエントなチルネス~ショアーなフィールドレコーディングを絡ませたりするなど聴かせ方には趣向を凝らしたところが。レーベルはポートランドのミクステ専門系とか。



2016年1月のカセット・レヴュー)
2016年2月のカセット・レヴュー)
2015年の熟聴盤:カセット/BandcampリリースBEST 40)

2016年3月29日火曜日

告知㉔:Yuck『Stranger Things』

〈S&S〉からのリリースではないのですが。

ヤック、原点回帰のニュー・アルバムを。
Yuck/Stranger Things
http://diskunion.net/rock/ct/detail/AWY160203-YK1


ノイジーかつキャッチーな楽曲は今作でもさらに磨きがかかり、ウィーザーやダイナソー・ジュニア、ソニック・ユース、ビルト・トゥ・スピルを彷彿とさせるオルタナイズされた楽曲が満載!

元ケイジャン・ダンス・パーティのマックス・ブルームとダニエル・ブランバーグを中心にロンドンで2009年に結成されたヤック。その後、日本人のマリコ・ドイ(パラキートなどでも活動)の加入、ダニエルの脱退などがありながらも、現在は4人で活動中。

本作は2013年の『Glow & Behold』に続く3作目で、全11曲を収録。ノイジーなギター&ヴォーカルとメランコリックなメロディがウィーザーを想起させるM-1「Hold Me Closer」をはじめ、リード・トラックの「Hearts In Motion」などダイナソー・ジュニアやビルト・トゥ・スピル、ソニック・ユースなどオルタナイズされた楽曲が満載!





〈S&S〉のカタログはこちら→http://diskunion.net/rock/ct/list/0/0/72421
よろしくご贔屓に。

2016年2月29日月曜日

2016年2月の熟聴盤

・ Iggy Pop/Post Pop Depression
・ Anna of the North/The Dreamer EP
・ Massive Attack/Ritual Spirit EP
・ Underworld/Barbara Barbara, we face a shining future
・ Anderson .Paak/Malibu
・ Kanye West/The Life of Pablo

2016年1月の熟聴盤)

2016年2月7日日曜日

2016年2月のカセット・レヴュー(随時更新予定)

◎Rkss/Cell(SEAGRAVE)
設立まもないイギリスのレーベルから。メタルパーカッシヴな工業ダンスは昨今の〈PAN〉周辺のシンクロした仕上がり。トランシーなハウストラックにも鉄粉やノイズがまぶされ耳触りはきめの細かい紙やすりで撫でられたよう。

◎Patricia/Bem Inventory(Opal Tapes)
とくればコチラのレーベルにも触れればなるまい。聴取が常態化したところもあり個人的に刺激を受けることはかつてに比べれば少なくなったものの、やはり安定のクオリティ、さすがのレーベル・カラーというか。ブルックリンのインダス・テクノ・ユニット。ロウななかにもシンセ~鍵盤フレーズが奇妙な抒情を醸し出す場面も。

◎Blush Response/Rebirthed In The Sprawl(Total Black)
ベルリン在住のダーク・アンビエント。ミニマルだが起伏に富み、15分弱の間にしっかりと展開を用意している。今様のニュー・インダストリアルなビート&クラスターで三半規管を研磨。レイムの沈降とアンディ・ストットの浮揚をバランスよく。ただ甘美さはなくストイック。

◎Molly Drag/Tethered Rendering
ロンドンとオンタリオをまたぐベッドルーム・フォーク作家。さしずめチルウェイヴ~ヴェイヴァーウェイヴ以降の耳を持ったコナー・オバースト(ブライト・アイズ)、といった印象も。最近、「フォーク」という表現/スタイルに再び個人的な関心が向いている。

◎Blithe Field/Face Always Toward The Sun(ORCHID TAPES)
ニューヨークの〈ORCHID TAPES〉から。生活音と相性のよいグリッチ・フォークトロニカとしても聞き流すこともできるし、なるほど、“ネット・コンクレート”とも呼ぶべきオンライン・アンダーグラウンドな環境以降のアンビエント・エレクトロニカとして音の端々に時代性・現代性を見いだせる代物なのかもしれない。ともあれ、ある種の揺り戻し、というか、ここでも「フォーキィ」という感覚の更新をうかがうことができる。エイフェックス・ツインの『ドラックス』を聴いたときのような。

◎LNS/Maligne Range(1080p)
カナダはヴァンクーヴァーの女性プロデューサー。初期の〈1080p〉のリリース作品には、いい意味でまがいもの感というか来歴不明の禍々しさというか、ネット発のアンダーグラウンドなエレクトロニック・ミュージックの風潮や温度を反映したテンションが感じられたものだけど、最近の12インチも切るようになってからのそれは、ミニマル&ベーシック、つまりはクラブ向けな作りで、どこか面白みに欠けているような。

◎Grier Edward Carson/MECHANICAL STATES(Clean Error)
工業音、グリッチ、メディア・ハック、マイクロ・ノイズ、ASMR……等々のフェチなサウンド・ピースを溶接、梁を巡らせることで建築された脳内シムシティ。OPNよりむき出しなサウンプリングマナー、一頃のジャイアント・クロウよりも下世話。あくまでリズミックなので耳愉しい。

◎Droid Daughter/Elm Mind(Us Natives)
ざっくりと言えばジャジーなインスト・ヒップホップ。2000年代の前半に盛り上がった〈Anticon〉周辺、〈Chocolate Industries〉に代表される西海岸のシーンは現在どうなっているんだろう?とか聴きながら思いをはせたり。




◎HANZ/REDUCER(Tri Angle)
一昨年から自身のBancampで投げ銭されていたらしい作品が改めて〈Tri Angle〉と手を組み自身のサイトから再・投げ銭。折しもデス・グリップスの新曲が突如発表された直後ということもあり、ポスト・パンクのテクスチャーにインダストリアル・ノイズやダブ、ブレイクビーツ~全盛期のアンクルとフライング・ロータス周辺のLAビート周辺を結ぶ云々~などなどがぶち込まれたようなこの騒々しさ、猥雑さがなんだかとってもタイムリーに耳になじむ。北カリフォルニアのアラサープロデューサーのデビュー作。

◎Nový Svět/Mono(Reue Um Reue)
リリースはブリアル・ヘックスのカタログも抱える〈Reue Um Reue〉。90年代から活動するドイツのデュオ。アンビエント、ゴシック、加えてフォーキーなヴォーカルも擁しつつスロウに交わるリズムにはほのかなジャズの趣向も。

◎High Bloom/Haloed(ORCHID TAPES)
女性のヴォーカルを擁したメリーランドのデュオ。やわらかいキックも入りつつ、アンビエンタルな操作でドリーミーな音響をつむぐローファイ・エレクトロニカ・ポップ。



◎Sven at Work/Jan(Noumenal Loom)

マスタリングをMagic Fadesが。ジャズやAORのスムースなプロダクション&コンポジションに映える、控えめなシンセやアコギ等の生楽器、あるいはトロピカルなパーカッション。と思いきや、思いきやの〈Noumenal Loom〉らしいニューエイジングな振れ幅もいかんなく。

◎Luca Sigurtà/Warm Glow(Monotype)
マスタリングはJames Plotkin。ということからも推して知るべし。低音の振動する重厚な、しかしスムースなシークエンスを形作るエレクトロニクス・ノイズにスロウなダウン・ビート。やわらかなシンセのフロウ。そして時折、差し込まれる女性ヴォーカルや暗示的なモノローグ。マッシヴ・アタックから快楽性や官能を取り除き、モントリオール・アンダーグラウンドの暗く立ち込める排煙を流し込んだような。自身はイタリア出身、レーベルはポーランド発。

◎Dying Adolescence/Dear you, It can't wait.(Z Tapes)
青年期の終わり、的な意味合いなのだろうか。ベッドルームからスタートしたプロジェクトはライヴ写真らしきものを見る限り、バンド編成での演奏も行われている模様。スロヴァキアの〈Z Tapes〉が届ける、ビター・スウィートなローファイ・ギター・ポップ。

◎Farewell/Nfumbes(Stoned To Death)
シュシュのジェイミー・スチュアートによるソロ(?)・プロジェクトらしい。シンセのクラスター音やエレクトロ・ノイズで押しまくる、なんとも無愛想なドローン・ミニマリズム。曲タイトルに付せられた数式が意味深だが、それはさて置き。個人的にはシュシュ本体で、〈Kill Rock Stars〉時代のような輝き、存在感、アヴァンとポップの緊張感ある背中合わせをまた再び見せてもらいたいところなのだけど。レーベルはチェコ発。

◎Japanese Breakfast/American Sound
フルアルバムが待たれるフィラデルフィアのMichelle Zaunerによるソロ・プロジェクト。地元でギター・ロック・バンドLittle Big Leagueも掛け持ちする彼女だが、こちとらみずみずしいベッドルーム・シンセ・ポップを。どうでもいいけどフェイ・ウォンが歌った“夢中人”を連想させる場面も。

◎Nerftoss/Prospect Endless
出身がバルチモアのメリーランド。と知りなんだか妙に納得。アニマル・コレクティヴと同郷。ユーフォリックで密教的なトライバル嗜好。バレアリックでトランシー。〈Sublime Frequencies〉というかDJモードのEYE風というかな。

◎Missing Plane Found on the Moon/Plane Found in Woods Is a Man's New Home(HASTY WAIFU MUSIC)
スペインのレーベルから、ギターとドラムの即興デュオ。ローレン・マザケインが名うてのジャズ・ドラマーと丁々発止を繰り広げるようなミステリアス・セッション。ライヴ録音。各曲10分超えの聴きごたえ。

◎Barnaby Bennett x D/P/I/ºoº (2015)
話題のコラボ。話題を集めたのか? 片割れのBarnaby Bennettはカルガリーのエレクトロニクス作家。D/P/Iらしい神出鬼没なグリッチは影をひそめ、つつもフットワークっぽいリズム、細切れのビートが要所に。フラクタルなテクスチャーに不意に差し込まれるノイズやアコギ、サウダーヂな歌などなど。ラーガな音色も聴かせるなど、やはり大胆不敵か。



◎SH-2000/『​/​​​/​​olivoil​​/​​​/​』 (2016)
で、そのBarnaby Bennettによる別名義のデュオ。モジュラー・シンセの静かなうねり。前盤と比べるとモノトナス。だが、ぐっとニューエイジ色をたたえた音色の隙間を気泡のようなノイズやインストゥルメンタルが時折顔をのぞかせる。

◎Tiger Village/Low Focus(Suite 309)
レーベルはオハイオ。聴覚を擽る小技の効いたEDM。キッド606から毒を抜きもっとチャイルディッシュにしたような。ニンテンドー、セガサターン的な8ビット・ゲーム音楽を引用したバレアリック・ヴァージョン。みたいな瞬間も。








2016年1月のカセット・レヴュー)
2015年の熟聴盤:カセット/BandcampリリースBEST 40)




2016年1月31日日曜日

2016年1月の熟聴盤

・ Animal Collective/Painting With
・ Savages/Adore Life
・ Jesu & Sun Kil Moon/Jesu & Sun Kil Moon
・ Roly Porter/Third Law
・ Florist/The Birds Outside Sang
・ Ykiki Beat/When the World is Wide
・ DIIV/Is the Is Are
・ Fat White Family/Songs For Our Mothers
・ Hanz/Reducer
・ Cullen Omori/New Misery
・ Nico/Abschied
・ 柴田聡子/Snap! III
・ David Bowie/Blackstar
・ Hinds/Leave Me Alone


告知㉔:Ty Segall『Emotional Mugger』

2016年一発目の〈S&S〉のリリース。
タイ・セガール、満を持しての本人名義のニュー・アルバム。
Ty Segall/Emotional Mugger
http://diskunion.net/rock/ct/detail/AWY151222-TS1



2015年にはファズ名義で『II』を、最近ではT・レックスのカヴァー・アルバム『タイ・レックス』を発表したばかりのタイ・セガールが、なんと早くもニュー・アルバムをドロップ!
本名義だけでなく、ファズやブロークン・バット、ゴッグスなど様々なバンドでも活動し、現在のUSガレージ・シーンを牽引するタイ・セガール。その多作家ぶりは周知が認めるところですが、その溢れ出るアイデアと情熱が冷めやらぬうちに封じ込められた本作も、彼の代表作となること間違いなしです!!




ちなみに、アルバムにはそのブロークン・バットでも組むメルヴィンズのデイル・クローヴァーも参加してます。

〈S&S〉のカタログはこちら→http://diskunion.net/rock/ct/list/0/0/72421
本年も〈S&S〉なにとぞご贔屓に。

2016年1月25日月曜日

2016年1月のカセット・レヴュー(随時更新予定)

◎Delphine Dora and Sophie Cooper/Distance Future(Was Ist Das?)
両者による初のコラボ作品。教会を舞台としたアコースティックセッション。建物がらかエコーの効いた空間を幽玄にくゆり、立ち上るエレクトロニクスや管楽器、そして女性ヴォーカル。マスタリングを手掛けているのはInfinite Space Infinite Starsのひと。周辺人脈にはAlexander Tuckerの名前もあることから推して知るべし。

◎Internazionale/What Was Sown Into History(Janushoved)
〈Posh〉からのアルバム『Armour Of Stars』のインダストリアル~ドローン~アンビエント作家。とはいえDamien Dubrovnikよりもずいぶんユーフォリックで、例えばレイムよりも透明度が高い。環境音楽的なチルアウト嗜好で、ほぼビートレス。新興の注目レーベル〈Janushoved〉から。



◎Birdy Earns/Structure Studies(Speaker Footage)
お次もデンマークのレーベルから。オヴァルとキッド606とアイスランドの〈キッチンモーターズ〉周辺を繋ぐようなグリッッチィでダンスフィールも旺盛な箱庭エレクトロニカ。本人自身はベルリンで活動するプロデューサー、の本作はデビュー作らしい。



◎Dust Hag/Monstrode
コロラド産のノイズ・コラージュ。なかなかの偏執狂だが耳馴染の良さがかえって不気味。一頃のベックとかアリエルピンクのような抜け目なさ&憎めなさ。





◎Solid Attitude/Tour Demo 2015
ミネアポリスのパンクバンド。威勢よし。メンバーおのおのがそれぞれバンドを掛け持ちする活きのよさ。そういえば、サーマルズの新作が出るんですね。今年楽しみな一枚です。

◎Housefire/Ecstasy Of...(Grovl Tapes)
〈100%Silk〉のさらに奥へ、地下へ。マクマードの〈Grovl Tapes〉が届ける飽くなきロウ・テクノ。シャックルトンも震え上がらせる12インチと並べると多少ミニマルに徹した感も無きにしも非ずな女傑。

◎Despoiler/Dysgenika(Grovl Tapes)
「恋人ガ変(本)性」? 「変態」と横っ腹にプリントさfれている。ジェニー・ヴァル>USガールズ>ジュリア・ホルター>>>……グライムス、だった去年の自分には格別に沁みる。というか、リディア・ランチ(的なスタイル、フォームetc)、このところ様々なところで復権の兆し。

◎Orca LIfe/Viridian(Otherworldly Mystics)
録音されたのは数年前。重なって続く山の稜線のグラデーションが美しい。静謐なニュー・エイジ・アンビエントだが、ジャワ音楽にも通じる鉄製楽器の音色が聞こえたり、テリー・ライリー的な「和・禅」の意識の流れも漂うように流れている。

◎Former Selves/Morriña(auasca)
お馴染みアンビエント作家による2016年リリースの初作。A面はSci-Fi感満載のスペース・アンビエント。B面は穏やかなシンセ音にまぎれてダスト音か水滴の音のような具体音がうっすらと。静物画的なアートワークにぴったりな趣。

◎Five Guitars for Tony Conrad/Five Guitars for Tony Conrad(auasca)
同じくNYの〈auasca〉から。タイトルから窺える通りトニー・コンラッドのトリビュート作品らしく、一時間弱のライヴ録音を収めたドローン・ギター5重奏にはトム・カーターの名前も。ちなみにこのパフォーマンスが披露されたフェスティヴァルにはノヴェラーやオネイダのメンバーも出演したとか。

◎AZHA/Celestial Meadows
ボン・イヴェールやヴォルケーノ・クワイアーのサポートも務めるAndrew Fitzpatrickが片割れというデュオ。これがデビュー作で、相方のKathleen Baird(Spires That In The Sunset Rise)が吹くフルートやヴォイスをFitzpatrickがプロセッシングして編まれた、オリエンタルでどこか怪奇音楽めいたアンビエンスのプリズム。



2015年の熟聴盤(カセット/BandcampリリースBEST 40)