2016年1月31日日曜日

2016年1月の熟聴盤

・ Animal Collective/Painting With
・ Savages/Adore Life
・ Jesu & Sun Kil Moon/Jesu & Sun Kil Moon
・ Roly Porter/Third Law
・ Florist/The Birds Outside Sang
・ Ykiki Beat/When the World is Wide
・ DIIV/Is the Is Are
・ Fat White Family/Songs For Our Mothers
・ Hanz/Reducer
・ Cullen Omori/New Misery
・ Nico/Abschied
・ 柴田聡子/Snap! III
・ David Bowie/Blackstar
・ Hinds/Leave Me Alone


告知㉔:Ty Segall『Emotional Mugger』

2016年一発目の〈S&S〉のリリース。
タイ・セガール、満を持しての本人名義のニュー・アルバム。
Ty Segall/Emotional Mugger
http://diskunion.net/rock/ct/detail/AWY151222-TS1



2015年にはファズ名義で『II』を、最近ではT・レックスのカヴァー・アルバム『タイ・レックス』を発表したばかりのタイ・セガールが、なんと早くもニュー・アルバムをドロップ!
本名義だけでなく、ファズやブロークン・バット、ゴッグスなど様々なバンドでも活動し、現在のUSガレージ・シーンを牽引するタイ・セガール。その多作家ぶりは周知が認めるところですが、その溢れ出るアイデアと情熱が冷めやらぬうちに封じ込められた本作も、彼の代表作となること間違いなしです!!




ちなみに、アルバムにはそのブロークン・バットでも組むメルヴィンズのデイル・クローヴァーも参加してます。

〈S&S〉のカタログはこちら→http://diskunion.net/rock/ct/list/0/0/72421
本年も〈S&S〉なにとぞご贔屓に。

2016年1月25日月曜日

2016年1月のカセット・レヴュー(随時更新予定)

◎Delphine Dora and Sophie Cooper/Distance Future(Was Ist Das?)
両者による初のコラボ作品。教会を舞台としたアコースティックセッション。建物がらかエコーの効いた空間を幽玄にくゆり、立ち上るエレクトロニクスや管楽器、そして女性ヴォーカル。マスタリングを手掛けているのはInfinite Space Infinite Starsのひと。周辺人脈にはAlexander Tuckerの名前もあることから推して知るべし。

◎Internazionale/What Was Sown Into History(Janushoved)
〈Posh〉からのアルバム『Armour Of Stars』のインダストリアル~ドローン~アンビエント作家。とはいえDamien Dubrovnikよりもずいぶんユーフォリックで、例えばレイムよりも透明度が高い。環境音楽的なチルアウト嗜好で、ほぼビートレス。新興の注目レーベル〈Janushoved〉から。



◎Birdy Earns/Structure Studies(Speaker Footage)
お次もデンマークのレーベルから。オヴァルとキッド606とアイスランドの〈キッチンモーターズ〉周辺を繋ぐようなグリッッチィでダンスフィールも旺盛な箱庭エレクトロニカ。本人自身はベルリンで活動するプロデューサー、の本作はデビュー作らしい。



◎Dust Hag/Monstrode
コロラド産のノイズ・コラージュ。なかなかの偏執狂だが耳馴染の良さがかえって不気味。一頃のベックとかアリエルピンクのような抜け目なさ&憎めなさ。





◎Solid Attitude/Tour Demo 2015
ミネアポリスのパンクバンド。威勢よし。メンバーおのおのがそれぞれバンドを掛け持ちする活きのよさ。そういえば、サーマルズの新作が出るんですね。今年楽しみな一枚です。

◎Housefire/Ecstasy Of...(Grovl Tapes)
〈100%Silk〉のさらに奥へ、地下へ。マクマードの〈Grovl Tapes〉が届ける飽くなきロウ・テクノ。シャックルトンも震え上がらせる12インチと並べると多少ミニマルに徹した感も無きにしも非ずな女傑。

◎Despoiler/Dysgenika(Grovl Tapes)
「恋人ガ変(本)性」? 「変態」と横っ腹にプリントさfれている。ジェニー・ヴァル>USガールズ>ジュリア・ホルター>>>……グライムス、だった去年の自分には格別に沁みる。というか、リディア・ランチ(的なスタイル、フォームetc)、このところ様々なところで復権の兆し。

◎Orca LIfe/Viridian(Otherworldly Mystics)
録音されたのは数年前。重なって続く山の稜線のグラデーションが美しい。静謐なニュー・エイジ・アンビエントだが、ジャワ音楽にも通じる鉄製楽器の音色が聞こえたり、テリー・ライリー的な「和・禅」の意識の流れも漂うように流れている。

◎Former Selves/Morriña(auasca)
お馴染みアンビエント作家による2016年リリースの初作。A面はSci-Fi感満載のスペース・アンビエント。B面は穏やかなシンセ音にまぎれてダスト音か水滴の音のような具体音がうっすらと。静物画的なアートワークにぴったりな趣。

◎Five Guitars for Tony Conrad/Five Guitars for Tony Conrad(auasca)
同じくNYの〈auasca〉から。タイトルから窺える通りトニー・コンラッドのトリビュート作品らしく、一時間弱のライヴ録音を収めたドローン・ギター5重奏にはトム・カーターの名前も。ちなみにこのパフォーマンスが披露されたフェスティヴァルにはノヴェラーやオネイダのメンバーも出演したとか。

◎AZHA/Celestial Meadows
ボン・イヴェールやヴォルケーノ・クワイアーのサポートも務めるAndrew Fitzpatrickが片割れというデュオ。これがデビュー作で、相方のKathleen Baird(Spires That In The Sunset Rise)が吹くフルートやヴォイスをFitzpatrickがプロセッシングして編まれた、オリエンタルでどこか怪奇音楽めいたアンビエンスのプリズム。



2015年の熟聴盤(カセット/BandcampリリースBEST 40)